リスク健忘症の日本人

公開日:  最終更新日:2017/05/28

僕が20歳で株を始めてから思ったのですが、日本人の大半は証券についての知識がありません。僕が株をやってると話すと、第一声は「すごいね」か「危なくない?」です。

この「危なくない?」には損は絶対したくないという強い意志が感じられます。その割にはじゃんじゃん物を買って押入れに放置したり、公務員は安定だ!といいながら若い貴重な3年間とお金をズルズル消費している人もいます。

要は日本人は基本的にリスクの扱い方が下手なんです。リスクにはリターンがあるという意識がなく、リスクだけ見て恐れるリスク恐怖症になっています。逆にリターンにはリスクもあるということも忘れるリスク健忘症にもなっています。

(注意:リスク恐怖症とリスク健忘症は僕の造語です。科学的根拠とかはありません)

日本人のリスク意識

リスク恐怖症

日本人のリスク恐怖症、僕が印象深いのは証券取引をしている人が全然いないということです。こちらのデータでは、株式を保有したことがある人は全体の20%ほど、投資信託は13%、20~24歳の若者はなんと1%程度でした。

株は損をするから危ない、起業は借金を負うから危ない、クレジットカードは使いすぎるから危ない、などなど、一般的によく言われる「危ない」ですね。

確かに損をする可能性はあります。それは正しいですし、危険なことは一切したくない! なんて生き方をしたいのならまあ良いでしょう。日本人らしい生き方だと思います。

しかし本当に危険なことはしていないのでしょうか? 自分が安全だと思って行動していることは本当に安全なのでしょうか? リスクを恐れてばかりいて、いま目の前にあるリスクを直視できなくなっていませんか?

私は、日本人の問題はリスク恐怖症より、リスク健忘症にあると思っています。

リスク健忘症

安定を求めて公務員を目指す。そのために何十万を予備校に支払い、最低でも1年間しっかり時間を使って勉強する。それで受かれば良いものの、落ちたら公務員浪人でまたお金と時間がなくなっていく。一度落ちた人が次に合格できる可能性は低いです。公務員が安定といっても部署によっては激務薄給。

公務員になることはリターンがあると思います。しかしそれほどのお金と時間を費やすリスクは考慮しているのでしょうか?

絶対に儲かる話を無料で教えてくれると聞いて飛びついて、何百万円騙し取られた人も世の中にはいます。そこまではないとしても、基本無料のアプリをやって、結局普通にゲームを買うよりお金を使ってしまった、なんて人はよくいるでしょう。

長時間労働で、家族のため、会社のため、自分ためと無理を押して働き続けて過労死。結局周りの人に迷惑がかかって誰も得しない、なんて話はよく聞きますね。これも仕事をして貰えるリターンだけを考えて、過労死や自殺、精神病に罹るリスクを考えられなくなって起きてしまうことです。

リスクを顧みずリターンだけを求める。そんな生き方をしたいなら良いでしょう。怪しい商品に手を出して、株でハイリスクハイリターンなギャンブルをして、死ぬまでバリバリ働き続け、起業して人生賭けてみるのも面白いとは思います。

あれ、これじゃあリスク健忘症って無謀な起業家やギャンブラーみたいだなと思いましたか? その通りです。プロの起業家やギャンブラーはしっかりリスク管理できていますが、ただ刺激的なことがしたい無謀な人々はリスク健忘症と言えるでしょう。

そしてその要素は日本人にも当てはまっているのです。

 

つまり日本人はリスクを取りたくないのに知らず知らずにリスクを取りまくっている、リスク恐怖症リスク健忘症合併症なのです。厄介ですね。

 

リスクから目をそらす人々

日本人はリスクを恐れるあまり、リスクから目を逸しています。

株は怖いからと言って愚直に貯金して、結果、安全に資産運用していた人よりお金が目減りしてしまいます。また、銀行は信用ならんといってタンス預金を溜め込んだ老人が死んで、遺族はお金の場所が分からずじまい、なんてこともあります。

なぜ人々はリスクを恐れるのでしょうか? それは親が言っていたから、友達が言ったから、世間がそうだから、という理由が多いでしょう。確かに先人の知恵、自分のコミュニティでのルールは大事です。これを守っていれば安泰でした。昔は。

時を遡って1万年前、人類は洞穴で生活し、獲物や木の実を取って生きていました。マンモスを狩るには何十年、何百年経って確立された手法を使い、食べられる木の実の見分け方は40、50歳の年寄りに教われば安心です。マンモスを狩るのに今度新しい槍を使おう! あの新しい木の実を食べてみよう! と挑戦した人は、たまに成功したものの大半は死にます。先人の知恵に従って生きていく方が、新しいものに目を向けるより安全に暮らせたのです。

100年前でもあまり変わりはありません。日本人の大半は農民で、基本的には村の掟に則って生きていれば普通に生活できました。

では今はどうでしょう? グローバル化、インターネットの発達で流行も掟もあっという間に時代遅れになります。

5000年の時代遅れ

現代の20年は石器時代の5000年に相当するといっても過言ではないと思います。20、30歳年上の親の知恵なんて全く役に立ちません。

それでも人々は昔のように「先人の知恵」を当てにし続けています。そしてマンモスに殺される訳でもないのに新しい情報を仕入れることに恐怖を覚えているのです。

今は「先人の知恵を自分で更新し続ける」時代です。現代を20年前の常識で生きるのは石器時代を5000年前の常識で生きるのと一緒です。みんなが農耕を始めたのに「農業なんて怖いからマンモス狩る」なんて言う人がいるようなものです。確かにマンモスを狩っていても生きられるかもしれませんが、狩猟生活の危険性を考慮できていないリスク健忘症です。

日本人だけじゃない?

タイトルで日本人は~と限定していましたが、普通に人類共通の傾向ですね。ただその中でも日本人はリスク健忘症になりやすいと思います。

まず例外となるのはアメリカです。あそこは移民が始まってほんの400年ほどの国で、国民の大半は開拓意識に溢れたギャンブラーです。「先人の知恵」なんてものはなく、自分達で知恵を得て生きていく文化が芽生えています。石器時代には真っ先に死にそうな人々も、現代だと正しい戦略になっています。

もうひとつ、リスク健忘症になると死ぬような国ではリスクに敏感にならざるを得ません。中国や東南アジアの諸国はのんびり構えて時代に取り残されると、あっという間に極貧生活が待っています。

日本は社会保障が整っていて、一応「先人の知恵」に従って生きていればそれなりの生活はできます。つまりリスク健忘症によるリスクが少ないのです。

 

終わりに

昔は「先人の知恵」に従ったリスク恐怖症だけで安全な暮らしができたものの、現代で「先人の知恵」に頼ると時代遅れになりリスク健忘症も発症してしまう、という内容でした。

ではどうするかと言えば、自分でリスクとリターンを更新し続けるしかありません。

これを機会に身の回りの、危険だと思っているもの、安全だと思っているものをよく調べてみるのもいいのではないでしょうか。

ここまでお読み下さりありがとうございました。

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

Your Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP ↑