HSPとスキゾイドの関係とは? スキゾイドは防衛手段

HSPという言葉はご存知ですか?

HSPはハイリー・センシティブ・パーソンの略で、直訳すると、「とても敏感な人」です。端的に言うと、内向的、心配性、恥ずかしがり屋、豊かな内面を持つ、物事を深く考えるなんて言葉が合う人です。

スキゾイドという言葉はどうでしょう?

内向的な点はHSPと同じですが、本心から孤独を望む、親密な関係を好まない、感情表現が希薄などの特徴があります。

「HSPは半分くらい当てはまるんだけど、なんかしっくりこない」という人はスキゾイドかもしれません。逆に「スキゾイドはなんか違うなー」と思う人はHSPの可能性もあります。

HSPとスキゾイド、両者はどんな関係なのでしょうか?

僕は「HSPが精神を守った結果、スキゾイドになる」と考えています。

スキゾイドって何?

スキゾイドを一言で表すと「心の底から孤独を望む気質の人」です。

正式名称は「スキゾイドパーソナリティ障害」というパーソナリティ障害の一種ですが、軽度であればスキゾイド的な性格とも言えます。

DSM-5という精神疾患の分析では、以下の7項目のうち、4つ以上当てはまればスキゾイドであるとしています。

・家族の一員であることを含めて、親密な関係を持ちたいとは思わない。また、それを楽しいと感じない。

・ほとんどいつも孤立した行動を選択する。

・他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない。

・喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても少ししかない。

・第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない。

・他人の賞賛や批判に対して無関心に見える。

・情緒的冷淡さ、離脱、または平板な感情状態を示す。

人と関わるのが怖いわけではなく、心から人と情緒的な付き合いをしたくないと考えている人です。ですが、普段は感情のあるフリをして普通に生活もできます。

感情が希薄なように見えますが、とても豊かな感受性を持っています。感覚が敏感すぎるゆえに、外部の強い感情を受けすぎないように感覚をシャットアウトしているのです。

外の世界を締め出した結果、内的世界に引きこもりがちです。

詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

人間関係は怖くない、頑張れば愛想よく仲良くなれる。けどめちゃくちゃ疲れるし辛くて死にたい・・・心の底から人と関わりたくない、そんなあなたはスキゾイドパーソナリティかもしれません。

自己診断をしてみたい方はこちらもどうぞ

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HSPって何?

HSPは「外部の刺激に過敏である人」と言えます。

アメリカの精神分析医エレイン・アーロンが1996年に提唱した言葉です。彼女は人を「とても敏感な人」と、「タフな人」の2タイプに分類しました。

HSPは感受性が高く、良いことも悪いことも共感できます。また、物事の様々な面を考えられるため、慎重で危機管理能力にも優れています。

その性質はメリットだけではありません。HSPはその高い感受性によって疲れやすく、外交的になれない自分を否定しがちになります。

HSPは国や地域にもよりますが、大体5人に1人が該当するそうです。

また、HSPは生まれつきの性質です。将来HSPに分類される人は、赤ちゃんの頃から外部の刺激に対して敏感に反応するという研究結果があります。

HSPの7つの能力と4つの問題

イルセ・サンの『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』では、HSPの能力を7つ紹介しています。

・一度に多くの情報を吸収できる。

・音や匂いなどの微細な違いも察知できる。

・ゆっくり、深く多角的に考えられる。

・とても慎重で、危機管理能力が高い。

・共感力が高く、気配り上手。

・誠実で責任感がある。

・想像力が豊かで、内的世界が充実している。

また、HSPが抱えやすい問題として以下の4つを挙げています。

・自分自身に高度な要求をしてしまう。

・罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう。

・恐怖心を感じ、憂鬱や抑うつになりやすい。

・怒りを上手く放出できない。

どうですか? HSPの特徴を簡単に列挙してみました。身に覚えのある方は、エレイン・アーロン氏によるHSPのセルフテストを受けてみてもよいでしょう。

スキゾイドはHSPである

似てるようでちょっと違うHSPとスキゾイド、一体どんな関係性なのでしょうか?

先ほど、HSPは生まれつきの性質であると話をしましたね。僕は、スキゾイドは生まれつきHSPであると思っています。

つまりHSPの一部の人がスキゾイドなのです。図にするとこんな感じです。

なぜそう思うかというと、スキゾイドはHSPの特徴である「外部の刺激に過敏である」という点で共通しているからです。大きく3つに分けて紹介します。

感受性が高い

スキゾイドもHSPと同様に外部刺激に過敏です。

その結果、相手の感情を察知する能力に優れていたり、雨の匂いや、ちょっとした物音など、周りの些細な変化にも気付きます。

反面、人が大勢いると刺激を受けすぎるため疲れがすぐに溜まります。

僕は3人以上と会話すると、脳の処理限界を超えて何も考えられなくなります。ディズニーなどに遊びに行っても、人混み、騒音、ライトアップに気圧されてすぐに疲れてしまい、翌日は半日くらい寝込んでしまいます。

内的世界の充実

スキゾイドとHSPは空想が得意です。脳内で情報を処理する能力が高いのでしょう。

僕は、一人でぼーっとしていると、面白いアイデアやストーリーが自然に浮かびます。

寝る前に「生きるとは何か」のような哲学的テーマがポッと浮かんで、ずっと考え続けることもよくあります。

「一人でいると退屈」という人がいますが、僕は退屈なんて思ったことがありません。

慎重

スキゾイドもHSPと同じで慎重です。外部の情報をメリット・デメリット含め沢山仕入れていれば、必然的にそうなりますね。

これが面白そうだと思っても、嫌な予感が頭をよぎりすぐに行動しません。どんな問題があるのかしっかり調べてから行動するタイプです。

「ネガティブに考えすぎだよ」と言われたことのある人も多いでしょう。

スキゾイドはHSPの防衛手段

スキゾイドはHSPの敏感な性質を持っています。しかし違う点もあります。

スキゾイドは他人への責任感をあまり感じませんし、罪悪感や羞恥心を感じてもシャットアウトできます。自分はダメな人間だと落ちこむこともあまりありません。

つまり、スキゾイドはHSPの過敏な感情を防いでいるのです。

先ほど「HSPが抱えやすい問題」を4つ挙げましたね。

・自分自身に高度な要求をしてしまう。

・罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう。

・恐怖心を感じ、憂鬱や抑うつになりやすい。

・怒りを上手く放出できない。

これに対するスキゾイドの防衛方法を見ていきましょう。

スキゾイドは自分に緩い

・自分自身に高度な要求をしてしまう。

HSPはもっと親切であるべき、我慢するべきと自分に強いルールを課してしまっています。それは自己肯定感の低さの裏返しです。他人に評価してもらうために優秀で愛される人間になろうとします。

対してスキゾイドは他人に評価に興味がありません。現実の人間関係を切り捨てて、自分の内的世界を重視するからです。自分の内側だけで評価されれば良いので、外部の評価に左右されず自尊心が維持できます。

他人のために過剰な献身や我慢はしませんし、優秀であろうとも思いません。頑張るとしても自分自身のため。自分の気持ちと体調が最優先です。

スキゾイドは罪悪感や羞耻心を感じない

・罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう。

HSPは自分の行動で他人が不幸になると罪悪感を感じます。なぜなら、相手がガッカリしたり傷つくのを敏感に感じ取ってしまうからです。また、HSPは恥ずかしいことではないかという羞耻心もよく湧き上がります。

スキゾイドは罪悪感も羞耻心も感じません。いや、感じないというと語弊があります。厳密には上手くシャットアウトできるのです。一定量以上の感情が湧き上がる前に心を閉じて何も感じないようになれます。

スキゾイドは恐怖心を無視できる

・恐怖心を感じ、憂鬱や抑うつになりやすい。

HSPは想像力が豊かで、悪い可能性もよく思いつき不安になってしまいます。ある程度までの不安は日常の危険を回避するために有効ですが、度をすぎるとパニック障害や恐怖症になってしまいます。

スキゾイドは過度の恐怖を押し込められます。昔は僕も、人前での発表や、床屋への電話、友達のグループに入れてもらうことが苦手でした。発表内容を忘れて恥をかく、緊張して噛んでしまう、友達に無視されるといった想像が膨らんでしまうからです。

しかし、中学3年くらいから、そういった恐怖を無視できるようになりました。不安が頭の中に浮かび上がってくると、頭を真っ白にして打ち消すイメージです。

不安で押しつぶされて何もできなくなる前に、思い切って行動に移せています。

スキゾイドはうつ病になりにくい?

HSPは悪い想像が盛んで、自己肯定感も低いためにうつ病になりやすいようです。

スキゾイドはうつ病にならないとは言い切れませんが、普通のHSPに比べればうつ病になりにくいでしょう。

まず、自分自身をあまり責めないので精神が安定しています。他人のために死ぬほど頑張ることもありません。また、極度に悪いイメージが脳裏によぎっても遮断できます。

スキゾイドがうつ病になるとしたら、人付き合いに疲れ果てて、スキゾイド的な防衛手段が使えなくなった時でしょう。

怒りはすぐに消える

・怒りを上手く放出できない。

HSPの人は怒りの感情を感じるようです。しかし、相手に向けて怒鳴ったりするのは苦手であるため、心の中に溜め込みがちです。怒鳴ることで怒りを発散しようとすると、感情が高ぶり、余計怒りの感情を増幅させてしまうようです。

スキゾイドも少しは怒りを感じます。僕の場合は、早く帰って家でリラックスできるはずだったのに、突然残業になってイライラしました。また、コンビニで列に割り込まれたときにもムカつきましたが、それを引きずることはありません。3秒も数えるとスーッと冷めてしまいます。

これはHSPのように心の中に押し込めているというより、溶け出して無くなってしまう感覚です。

「怒りはその人への期待が裏切られた時に感じる」という話を聞いたことがあります。スキゾイドが怒りを感じないのは、人間に対する期待がないからかもしれませんね。

スキゾイドは情緒的な付き合いができない

スキゾイドはHSPの問題を解決できているとは書きましたが、だからスキゾイドが優れているという意味はありません。何かができるようになればそれなりの対価が必要です。

HSPが自分の敏感な心に正面から向かい合おうとしているのに対し、スキゾイドは外部への感情を麻痺させて、見て見ぬふりをしています。

その結果、HSPが悩みながらも少数の人間と親しい関係を築けるのに対し、スキゾイドは情緒的な交流自体をシャットアウトしてしまっているため、親密な人付き合いを楽しめないのです。

スキゾイドの「外の世界を遮断して内的世界に逃げ込む」という戦略は効果的ですが、手放しで称賛できる方法ではないでしょう。

まとめ

HSPとは「とても敏感な人」であり、スキゾイドは「孤独が好きな人」です。

スキゾイドは元々HSPであると考えています。なぜなら、スキゾイドとHSPは「感情に敏感である」点で共通しているからです。

HSPは外部の情報に過敏であるため、まともに感情を受け続けるのは精神的に負担です。精神負担を避けるため感情を遮断するとスキゾイドになるのです。

外部の感情をシャットアウトすることで罪悪感や羞耻心を断ち切ります。また、内的世界に閉じこもることで他人の目を気にしなくなり、必要以上の責任感も負わなくなるのです。

一見スキゾイドはHSPの全て問題を解決したように思えます。しかし、スキゾイドにも問題はあるため、HSPとスキゾイドどちらが良いとは一概には言えないでしょう。

以上、HSPとスキゾイドの関係でした。

HSPかな? と思った方は、色々な本が出ているので参考にしてみてください。

スキゾイドに当てはまった方、残念ながらスキゾイドの情報は少ないです。

僕は、ブログやツイッター、掲示板(スキゾイド研究会)で、スキゾイドに関する情報を発信しています。一緒に生き抜く方法を模索していきましょう。

大切なのは、どっちが良い悪いということではなく、自分の性格を知って、それに沿った生き方を模索することです。HSPとスキゾイドの違いから、自分がどちらに近いのか理解してもらえたら幸いです。

ここまでお読みくださりありがとうございました。