スキゾイドに恋愛はできるか?

スキゾイド

スキゾイドにとって恋愛は超難関です。

そもそも深い人付き合いができません。感情のやりとりを続けると相手を飲み込んでしまうような、同時に飲み込まれてしまうような不安に襲われます。

 

表面上はまともなので、周囲からは「彼女いてもおかしくないよね」「頑張ればできるっしょ」と思われがちです。

確かに、仮面的な性格作りが上手ければ恋人を作るのは不可能ではありません。相手の心情を見抜くのが得意なため、恋愛の駆け引きは申し分ないでしょう。

しかし、あくまで外見上でのこと。お互いの内面まで踏み込んだ心の交流は苦痛を伴います。

短期的に感情的なフリをした付き合いができても、長期では限界がきます。長続きはしないでしょう。

 

もしスキゾイドに好ましい恋愛があるとすれば、スキゾイドが相手の場合でしょう。付かず離れず、内側の世界まで干渉しない関係をお互いに維持できます。

 

有名人の恋愛事情

スキゾイドの有名人は多数いますが、その大半は生涯独身です。現代と違い、結婚が当たり前であった時代では非常に変わり者です。

 

例えばセーレン・キルケゴールは、恋人と婚約まで行ったものの、結婚直前で婚約破棄して生涯独身を貫いています。

 

また、アイザック・ニュートンも、アン・ストーリーという女性と交際の末に婚約しましたが、結局破談となり、生涯結婚することはありませんでした。

アンが他の男性と結婚した後も、金銭援助と付かず離れずの交流を続けていました。

彼が恋愛をしたのもアン一人だけだったと言われています。

 

スキゾイドは結婚などの、生活をともにする、より深い関係になることを回避する傾向があります。恋愛も、愛しているのかしてないのか分からない、プラトニックな関係が中心です。

果たしてこれは恋愛感情と言えるのでしょうか?

 

スキゾイドに恋愛感情はある?

僕はスキゾイドに恋愛感情はないと考えてます。

人間同士で情緒的な交流を図る恋愛はスキゾイドには不可能です。

 

しかし恋愛感情がないからといって、スキゾイドに恋愛欲求がないわけではありません。

僕の場合も希薄ながら彼女を作りたい欲求はずっとありました。

 

LoveではなくLike

スキゾイドにも何かが好きという感情はあります。でも相手を「愛する」まではいきません。あくまで「好ましい」が上限です。

子犬を見てかわいいと思ったり、子供が遊ぶのを微笑ましく見たり、映画のハードボイルドを格好いいと思う、テレビでラーメン屋が紹介されて美味しそうだなと感じる。恋愛も同列に存在します。

「この人かわいいな」と思うことがあっても「ずっと一緒になりたい」「情緒的に愛し合いたい」という感情は湧きません。顔や性格がかわいい、好ましい、ただそれだけです。

 

スキゾイドは人間を「一つの人格があるヒト」ではなく「人格のないモノ」として捉える傾向があります。

「このフライパン使いやすくて好きだなー」とモノに対して思っても、「このフライパンを愛している!」という人は普通いません。

 

性欲は希薄?

スキゾイドの判断基準に「性欲はあったとしても少ししかない」という記載があります。

 

少しかどうかは分かりませんが、僕の場合、性欲はあります。でもあくまで性欲は性欲で分離しています。そのために彼女を作ったり、風俗に行く気力は湧きません。

性欲はあるにはありますが、「人と関わるのが面倒」という気持ちが勝ります。特にイチャイチャしたりセックスすることは、身体、情緒的に濃厚な接触が避けられないので、より消耗します。

「性欲」と「人間関係嫌い」の葛藤が、外側からだと性欲が希薄に見えるの原因かもしれません。

 

社会経験として恋愛したい

ここまでの性質が当てはまるものの、僕は恋愛がしたいと思ってます。

僕の場合は「とりあえず一回体験してみたい」という好奇心が中心です。

スカイダイビングやVRの体験と同じです。別に好きなわけではないけど、ちょっと面白そうだしやってみたいな、というものは誰でもありますよね。

僕の感情は恋愛によって少しは動くのか、テンションが上がるのか、それとも大体想像通りなのか、興味があります。

 

また、社会的に彼女がいたことないのは異常だと思われています。必要最低限、話を合わすために彼女を作るべきだという義務感が付きまとっています。

 

スキゾイドは恋愛できる?

スキゾイドは恋愛感情がなくても、恋人作りたいなーという欲求はあります(少なくとも僕の場合は)。

でも現実問題としてスキゾイドに恋人を作るだけの技量があるでしょうか?

能力的には可能です。しかし、継続性や知識の面から難しいでしょう。

 

継続性の問題

スキゾイドは相手の心の機微に敏感であり、感情が平坦で怒る機会はありません。

仮面的性格が上手く作られていれば、「気が利くし、いつも明るい、怒ったのを見たことがない」という、非常に魅力的な人物になれるでしょう。

ただそれはあくまで演技なので、深い関係になってから継続し続けるのは難しいと思います。

スキゾイドにとって、感情は消費されるものなのでいつか失くなります。

ずっと恋人といて、仮面の維持に疲れたスキゾイドから別れを切り出すことになりそうです。

 

圧倒的知識不足

また、純粋な知識不足も深刻です。

スキゾイドは誰かと遊ぶことなく、基本一人で行動しています。今話題のニュースや芸能、TV番組も、自分に興味がなければ見ません。

おしゃれなBARの場所、ディズニーの楽しみ方、友達と共通の話題など、恋愛する上での必須知識が欠けています。

 

知識不足は会話のズレを生み、「あ、こいつ合わないな」という感覚の原因になります。

「知識がないなら身につければいいじゃん」となりますが、そこまでして恋愛したいかというとそうでもなく、面倒くさい感情が勝ってしまいます。

今すぐスカイダイビングできるならやってみたいけど、100時間の講習が必要と言われたら「そこまでしてやりたくないなー」となりませんか? そんな感じです。

 

恋愛するならどんな人?

恋愛には全く向いてないスキゾイドですが、どんな相手であれば恋愛が可能でしょう?

実はスキゾイドでありながら結婚して子供までいて、老後を一緒に過ごしている人がいます。

以前記事を書きましたが、『すべてがFになる』の森博嗣さんは、スキゾイド気質でありながら結婚しています。

奥さんとは同じ家に住みながら1日1回会うかどうかで、お互いに何をやっているか気にしてないそうです。スキゾイドにとっては理想的な状況です。

こんな生活は常人には耐えられないので、奥さんも同様にスキゾイドでしょう。

 

スキゾイドが仮の性格を作らず付き合える相手はスキゾイドしかいません。

一見付き合ってるのか分からないくらいの微妙な距離感がスキゾイドの理想です。普通の人ならばそんな煮え切らない関係は我慢できないでしょうが、相手もスキゾイドなら大丈夫です。

おしゃれな店を知らなくても、一般的な話題が分からなくても、お互いに知らないなら全く問題ありません。

 

スキゾイドは見つからない

じゃあスキゾイドっぽい彼氏(彼女)を作ろう! となっても見つけるのは困難です。

スキゾイドは仮面の性格を持って生活しているので、仮面作りが上手い人はなかなか見分けが付きません。一見社交的な人物がスキゾイドだったというのはよくあることです。

 

基本的にぼっちなのも特徴ですが、回避性人格、対人恐怖症と区別が付きづらいです。

スキゾイドと回避性人格は外面はとても似通っていますが、内面の性格は正反対です。

砂糖と塩を見た目で判別するようなもの。対応を間違えると痛い目を見ます。

 

よく単独行動しているけどオドオドしている訳ではない。普通に話せるけど陰を感じる。これくらいで見分けるしかありません。非常に曖昧ですね。

 

まとめ

今回はスキゾイドの恋愛はできるのか考えてみました。

 

スキゾイドに一般的恋愛は無理です。表面上の関係なら不可能ではないですが、深い関係を求められるにつれ、負担を感じ別れてしまうでしょう。

「愛したい」「理解したい」という一般的に言われる恋愛感情もありません。精々「好ましい」程度です。

恋愛に興味がないスキゾイドも多いでしょうが、もし恋人を作るのであればスキゾイド気質の相手にするべきです。自分が疲れず、素を出して付き合うにはこれしかありません。

しかし現実でスキゾイドを見分けるのは至難の業です。

 

スキゾイドの見分け方が今後の課題ですね。何か良い方法を模索していきます。

あなたも、もし付き合うならスキゾイドっぽい相手を探してみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

コメント

  1. 八角 より:

    こんばんは、初めまして。ツイッターのイラストを拝見して、自分の性格を言葉に表してくれる存在がいることに感動し、コメントさせて頂きました。
    ブログもツイッターも全て拝見しました。診断をやってみたところ、完全に分裂性気質で、恋愛したいのにできないっていうのにも当てはまりました。わたしは自分のことを「他人には興味がなくて自分しか愛せないただのナルシスト」だと思っていたのですが、同じ性格の人が4%もいるという事実に安心し、同時にとても腑に落ちました。紹介されている本、読んでみます!‬
    現在大学3年で就活を控えているので(今から苦痛です)、今後も参考にさせて頂きます…!ありがとうございました。

  2. あおい より:

    はじめて書き込みます。
    夫がスキゾイドかなと思います。
    私からのアプローチで結婚してもらったのですが、結婚してから1度も性的なことはなく、食事も1日に1回ぐらいしか取らず、塩こぶと白ご飯以外は用意しても食べません。
    家事は自分のエリアや触るところは自分でしたいらしく、掃除、洗濯も別々です。
    私にしてほしいことはないとハッキリ言われます。
    欲しいものもあまりないようで、友達と遊ぶこともありません。
    とにかく何もかもに希薄で、何が楽しいの?と思ってしまいます。

    「愛したい」「理解したい」という恋愛感情はないと書いてあって、なるほどなぁと納得しました。
    一緒に何かをする楽しみをみつけるよりも、結婚生活を続けるなら自分の楽しみを見つけたほうがよさそうですね。

  3. 回避型スキゾイド より:

    自分が回避型気質ではないかと調べてたらこちらにたどり着きました。
    少しは人と関わりたいと思うことはあるので回避型スキゾイドかも?と思います。

    小学時代を考えると休日は家に引きこもりがちで、学校で勉強するのが一番楽しいと思うタイプでした。
    今も平日は社畜っぽくて、休日は友人と遊ぶのが少し億劫。
    ただ、新しい人と出会うことは好きなので、よくコミュニケーションしますが、仲良くなってくると、例えば毎日顔を合わせる仲とか、
    同じ人とばかり遊びにいくとか、
    だんだん気分が悪くなってきてしまいます。
    恋愛も同じで、少しずつメールとか会うのが億劫です。女性で「仕事と私どっちなの?」という心情がある人が多いと思いますが、もし同様に彼氏が依存的だとドン引きし気持ち悪いと思ってしまいます。

  4. youta より:

    このサイトを見て、まさに自分はスキゾイドと思いました。
    恋愛経験ありですが、予測は見事に当たっています。
    そもそもの恋愛をやってみようと思ったきっかけも、管理人様と同じく、社会的な義務感と、興味本位でした。
    また、恋愛に関して苦手意識があり、課題の一つとして克服したいと考えていました。
    告白して付き合いましたが、体の関係になる前に別れてしまいました。
    一言で言えば、面倒になってしまったためです。
    毎週会って、ごはんを食べ、会話するということに、価値を見出せませんでした。
    こんな中身のない話をするくらいなら、本でも読んでたほうがマシと思ってしまいました。
    酷い話ですが。
    別れ話を切り出し、泣かれたことはけっこうトラウマになっています。

    大学院時代に、一般的に優秀な人々に囲まれ、劣等感に苛まれました。
    就職活動など、いろいろなストレスも重なり、人間関係がうまくいきませんでした。
    学業やスポーツは得意だったので、ここでつまづいたことは、私の中で大きな挫折でした。
    これまで積み上げてきた自信が、価値観が、すべて打ち砕かれた感覚でした。
    自分の社会経験が足りないことが原因と考え、彼らのようにならなければならないと強く感じました。

    社会人になってから、一般の人が楽しみそうなこと、同僚と旅行や、バーベキュー、スノボなど、リア充を目指して頑張りました。
    これらの経験は、自分の幅を広げてくれたことと、一般人との話題を作れたことなど、自分の成長につながったと思います。

    最終的に、家族以外の連絡先を削除して、日本と海外の一人旅に出かけることになりました。

    旅を終えた今、一人でもやっていけるという、もともとあった自信を取り戻しています。
    いろいろなことを試して、やっぱり自分は多くの人のようにはなれないのだと、逆に割り切ることができました。

    恋愛から話が逸れていってすみません。
    今の社会、いろいろな恋愛の形があるので、なんとかなるさと気楽に考えています。
    なにより、一人でもどうにでもなるという強みがあるので、世間の人よりも余計に楽だと思います。
    例えるなら、一人でも稼げるけど、趣味として会社に入ってもいいかな、という心情でしょうか?違うか?

    長文失礼しました。

  5. あばた より:

    前々から、異性に恋愛対象としてみられることが心の底から辛く、自分に好意を寄せていると感じられる人からはすぐに逃げてきましたが、その反面で「相手から好意を寄せられることは本当は喜ぶべきことなのに疎ましく思っている自分は冷酷だ」「相手を傷つけて申し訳ない」「しかし恋愛経験のないまま社会人になるとはいかがなものか」という気持ちがありました。最近、毎日顔を合わせなくてはならない方からの好意を感じ、さすがに逃げられない環境の中でどう生きていくべきか考えあぐねていた時、こちらに行き着きました。
    こんな感情を持たれる方が私以外にもいるんだと知れたことで、自分を肯定できるような気がします。
    ありがとうございました。

  6. 結婚は永久就職と言われる時代もあった より:

    こんにちは。
    スキゾイドちゃんの漫画が全部当てはまりますが、結婚して二児をもうけました。(かなり晩婚・高齢出産ですが)

    スキゾイドでも、女性なら割と恋愛(交際)、結婚に行き着くこともできやすいかもな、と思いました。
    男性は大変そうです。

    一般的に交際の始まりも継続も、女性が受け身になることが多いかと思うので、積極的で気遣いのある男性だと、女性からは何もしなくて良い、女性のペースも尊重してもらう、女性がミステリアスに映ることもある、と良い面があります。

    主婦業もスキゾイドに向いてる部分があるのではと感じてます。家事は基本的に一人で完結しますし、育児も結構楽しいです。
    育児は濃厚な人間関係では?と思われるかもしれませんが、こちらから子供の気持ちを慮ることはあっても、子供から「あなたの本心を打ち明けてよ」などと言われることはありませんので(笑)、侵入不安が無いからかもしれません。

    物理的に疲れる部分は、保育園やベビーシッターに預けて休めばなんとかバランスも取れます。

    女性でもスキゾイドであれば服装に興味がなく媚びないのでモテないと思いますが、意識的に結婚でもしようかと思ってモテ服とモテ仕草を研究してその通り振る舞えば、順調に話が進むのかなーと思います。

    スキゾイドの二児の母の経験談でした。

  7. 母がスキゾイド、おそらく父も より:

    wikiで、スキゾイドを知り、検索していてたどり着きました。
    心理学者の研究ではなくて、ふーとさんご自身がそうであるということで
    大変興味深く、記事の拝見をさせていただきました。

    私の母がまさにそのタイプで、
    人当たりもよく、人からも好かれ、心の機微がよく分かるタイプですが
    自分から人を全く求めておらず、更に、超然としていて、すごくマイペース
    幼い頃から、1人遊びが好きで、異性に興味はなく…とスキゾイドそのものです。

    息子である私は、自己愛性パーソナリティ気味であるため
    母とは、似ている部分もありますが、根本的な欲求が全く違うため
    全然違う性格同士、お互いを興味深く見ていたように思います。

    母は「私が結婚して子供いるのは奇跡だよ」と何度も言っていましたが
    今思えば、お付き合いや、仲良くなった女性の中で、スキゾイドっぽい方の率が高い気がします。
    そして、同時に、感情を消耗させてしまっていたようにも思います。

    相手を尊重する意味でも
    相手の望みや、性質に気付くのは大切なことですね

    有益な記事をありがとうございました。

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