スキゾイドが人付き合いできない原因は侵入不安にあった?

スキゾイドは人付き合いが苦手です。

僕の場合、相手と仲良くなろうとすると無意識のブレーキが掛かってしまいます。「これ以上進むと面倒くさいことになるぞ」という不安がよぎります。

人と仲良くなるのは苦手なのは自覚していましたが、人付き合いが苦手な理由は曖昧なままでした。

なぜスキゾイドは人との深い関係が苦手なのでしょうか?

その原因は侵入不安にあります。

侵入不安とは何なのか、なぜ侵入不安が発生するのかを見ていきましょう。

侵入不安とは

侵入不安とは、「自分の心が見破られてしまうのではないか」「他人の視線が心の中にまで侵入してくるのではないか」という不安のことです。

誰しも人に言えない秘密を抱えているものです。「自分は他人のことなんか気にしない冷たい人間だ」「実は不倫している」「人を殺したいと思っている」などなど。

自分の秘密がバレることで、イジメや仲間外れなどのひどい目に合うのではないかという不安を抱えます。また、自分の弱みを握られて支配されるのではないかとも心配します。

スキゾイドの侵入不安

スキゾイドは心へ侵入されたくないので、他者との関わりを避けようとします。特に、親しくなるほど自分の情報を相手に話す必要が出てくるので、一定の距離を取ろうとします。

誰かと親しくなってきて、「休日何してるの?」「彼女いるの?」など個人的なことを聞かれたりすると、「こんな話をしたら気持ち悪がられるんじゃないか?」「言いふらされてイジメられるのでは?」という不安が溢れ出てきます。

誤魔化して自分の話をしないと、それはそれで不気味がられてしまいます。

じゃあ相手の話だけ聞いてれば良いじゃん、というわけにもいきません。相手にプライベートなことを聞いたら、自分も同じくらいプライベートな話をしなければ不自然です。

相手に「彼女いるの?」と聞いたら、自分も聞き返された時には答えなければ失礼ですよね。でも自分は聞かれたくないので、そもそも相手にプライベートな質問をしないようにします。

結局、浅い付き合いを維持することが、心が見破られずに、侵入されない唯一の方法なのです。

なぜ侵入不安が起きるのか

なぜスキゾイドは「自分の心が見破られて、侵入されるのではないか」という不安を抱えるのでしょうか?

大きく2つの原因に分けられます。

・実際に侵入された経験があるから
・自分が侵入しているので、相手も侵入してくると思っているからPoint

侵入された経験がある

過去に学校でのイジメによって、「自分の気持ちを素直に発言していたら、気持ち悪いと言われ仲間はずれにされる」などの経験があると、「今後も自分をさらけ出すとイジメられるのでは?」という不安につながります。

親子関係でも、思いを否定されたり、親が子供のことを何でも知ろうとすると侵入されるような不安を感じます。

イジメという迫害経験

僕の場合ですと、中学2年生の時、ちょっとだけイジメがありました。それまでは内向的ではあったものの、素直に感情を表現していたり、冗談を言ったりしていました。

イジメが始まった時、なんとか仲良くなろうとウケ狙いのジョークも言っていましたが、なぜか全て否定されます。顔がキモい、動きがおかしいなど、やること為すこと全部バカにされ、どうしていいか分からなくなってしまいました。

幸い、イジメ自体は軽く、休み時間に悪口を言われまくったり、小突かれたり、物を隠される程度で、半年くらいで終わりました。

軽いとは言っても、毎日、何度も悪口を言われると精神的に堪えます。特に主犯は3人だったので、3人分の人格否定攻撃を一人で受け止めることになります。

無表情、無言で相手の言葉を聞き流す術を覚えたのはこの頃です。

彼らは僕から色々聞き出そうとします。「休日何やってる?」「何の本読んでるの?」など。大体はこの後に、「休日何もやってないの? ださっ」「うわー変な本読んでる、キモっ」という人格否定が返されます。

この「聞き出す」という行為は、僕と仲良くなるためではなく、僕の心に侵入して荒らしたい、支配したいというものです。まさに「他人の視線が心の中にまで侵入してくる」状況そのものですね。

流石に高校、大学に入ってからは、こんな幼稚なイジメがあるとは思っていません。頭では分かっていても、無意識のうちに侵入を恐れて、人に自分の話をしなくなったのかもしれません。

親子という支配関係

僕の場合は、親に否定されるようなことはありませんでした。父はあまり家に居なかったので、交流は母が中心です。

母は育児には気を配っている人で、人格否定されるような発言は無く、僕の意見を肯定的に見てくれました。

しかし、今思うとやや支配であったと思います。

母は僕の内面について何でも知ろうとしてきます。どんな友達がいるのかとか、何を読んでいるのかとか、好きな人はいるのか、などです。

ただの世間話なら良いのですが、得た情報で僕を分析しようとします。

「この子は内向的だからボーイスカウトとか入らせるべきかしら」「今はロボットに興味を持っているみたいだからロボットの教室に入れてあげよう」「全然彼女を作る気配がないけどゲイかもしれない、でもちゃんと受け入れよう」

子供が心配で、隠し事も全て母自身で管理したい欲求が強いのです。

僕は、母の「しっかり育児をやり遂げよう」という心意気には感謝していますが、どうもこの行き過ぎた支配感、侵入感が苦手です。

イジメと違って善意なので否定しづらいです。

心が見破られることによってイジメられる、否定されるという不安はありません。しかし心を見透かされて支配される不安が付きまとっています。

自分を相手に投影している

ここまでは、実際に侵入された経験が、「これからも侵入を受けるのではないか」という不安につながっている話をしました。過去の経験は侵入不安の重要な要因だと思っています。

しかし、もう一つ大事な視点があります。

スキゾイドは、自分が侵入しようとしているから、相手も侵入しようとしていると考えてしまうのです。これを投影同一化と言います。

スキゾイドは投影同一化が過剰に働いています。

投影同一化とは

投影同一化とは、自分のある側面を相手に投影し、その相手がその側面を持っていると見なす行為です。

簡単に言うと、自分がやっているから相手もやっているだろうという考えです。

例えば、自分が野球好きだから相手も野球が好きだろう、と思うのも投影同一化です。

「野球好き」は良い側面ですが、自分は傘を盗むからきっと皆も傘を盗むだろう、と考える悪い側面の投影同一化もあります。

自分はやってないけど、相手はやっていると思う投影同一化もあります。

自分が職場の人を見下して冷たく接しているのに、それを投影して、「職場の皆が私に冷たくする、見下されている」と考えてしまいます。この時、自分が無意識に職場の人を下に見ているとは気づいていません。

スキゾイドの投影同一化は無限ループ

スキゾイドの場合、自分が侵入されないための自己防衛として相手を分析する特徴があります。この「相手を分析する」行為を投影同一化します。

すると相手が「自分を分析してくる」恐れを抱くようになります。

つまり、最初に相手に侵入しようとしているのは、スキゾイドである自分自身なのです。

過去に侵入された経験から、相手に侵入して分析しようとし、それを投影同一化して相手から分析されそうな不安を抱く。その侵入不安から相手をさらに分析しようとする。

まさに侵入不安の無限ループです。

あなたも無意識に相手に侵入しようとしている時はありませんか?

僕はこの話を聞いて、相手を分析する癖があったことに気が付きました。

この人はよくディズニーに行くから外向型だな、絶対合わないタイプだ。この人はゲームばっかするから内向型か、でもよくチャットとかするしオフ会も行くらしいからスキゾイドじゃなさそうだ。

相手と会話を楽しむ、共感するのではなく、侵入されないか不安で分析を続けていました。分析すればするほど、投影同一化によって、相手からも僕が分析されているという不安が、無意識のうちに溜まってしまうのです。

まとめ

・スキゾイドが人付き合いが苦手なのは侵入不安のせいです。
・侵入不安には主に2つの原因があります。
1.過去の経験から、また侵入されるかもしれないという不安。
2.自身の侵入を投影同一化して、相手も侵入してくるという思い込み。Point

思い当たる節はありましたか?

「スキゾイドは過去の経験によって人付き合いを避けるようになる」と色々な本で言われています。今回はそれを侵入不安という形で整理しました。

「自分の侵入を投影同一化している」という発想は今回初めて自覚しました。母が僕に侵入して分析していたように、僕も誰かに侵入していたかもしれません。

殺人鬼に怯えていたら自分が殺人鬼だった、みたいな感じでちょっと滑稽ですね。

相手から侵入されるような不安を覚えた時は、「実は自分が侵入しているのでは?」と自問すると、少し侵入不安が和らぐかもしれません。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

今回の話は『対象関係論の実践』を参考にしています。