スキゾイドに向いている仕事とは? 27人から話を聞いてみた

スキゾイド

スキゾイドは人と関わるのが苦手です。人と関わらない仕事ができればベストですが、そんな仕事はほぼありません。では、現実的にスキゾイドに向いている職業とは何でしょう?

 

今回はスキゾイド研究会(掲示板)で、スキゾイドの皆さんがどんな仕事をしているのか、どんな仕事が向いているのか聞いてみました。

SE、講師、翻訳家、工場、接客、調理、食品検査、コールセンター・・・多種多様な職業の方がスキゾイド視点で語ってくれました。

 

その中でいくつも発見がありました。特に意外だったのは、「接客は大丈夫」という人が多かったことです。

 

今回は、研究会で得た発見を7つ紹介します。きっと、あなたの仕事選びに役立つはずです。

 

掲示板はこちらから見れます↓

「第1回 スキゾイドに向いてる仕事とは?」

 

目次

 

【1】人と関わらない

やはり、人間関係が少ない仕事はスキゾイドにとって過ごしやすいようです。

プログラマー、工場勤務など、仕事中に人と話す機会が少ない仕事は、ストレスも掛かりません。僕は清掃のアルバイトをしていましたが、会話はすれ違う人と挨拶するくらいで、非常に働きやすかったです。

 

一人の空間を確保するのもありですね。

バイク配達は、移動中一人なので気楽なようです。トラックの運転手も自分一人の空間を確保できるので良いかもしれません。

調理師で一人の現場を任されている方もいました。非常に快適だそうです。自分一人の調理場と聞くと、なんかワクワクしますね。

 

でも、自分の部屋で仕事ができれば最高。在宅フリーランスはスキゾイドの理想でしょう。

フリーランスで翻訳をしている方からも話を聞けました。人と関わらない環境を長年努力して構築してきて、現在は、仕事のやりとりのほとんどをオンラインで済ませているそうです。

人と関わらない環境を確保するには相応の努力が必要ですね。

 

【2】物作りも気楽じゃない?

ITエンジニアやメーカー勤務など、物作りに関わる人は多いですね。イラストレーターを目指している方もいました。

「人ではなく物相手なら気楽にできる」と考えている人は多いのではないでしょうか?

 

しかし、物作りは人と関わらないかといえば、そんなことはありません。

ITエンジニアは最初のうちはプログラムを書くだけで楽ですが、何年かすると設計する側へ回されます。お客さんとの打ち合わせや社内での会議が多くなり精神への負担が激しくなります。

自動車メーカーで働いていた方は、客先との折衝、工法の設定や図面の作成を行っていたそうですが、対人関係はとても疲れるようです。

安直に物作りがしたいと思って上流工程に行ってしまうと、消耗する可能性があります。

 

一人で黙々と仕事をするなら工場やプログラマーなど下流工程が良さそうです。

しかし、エンジニア35歳定年説が囁かれるように、年齢を重ねて体力と集中力が低下すると、下流工程を続けられない可能性もあります。一概に下流だから良いとも言えない状況・・・

 

どちらにしろ、「物作り=人と関わらない」とは容易に考えない方が良いでしょう。上流工程に行くほど仕事上の人間関係が重要になってくることは意識しておいてください。

 

【3】一ヶ所に留まらない

スキゾイドが警戒すべきは職場の人間関係です。長期間同じ職場にいると、どうしても深いコミュニケーションを求められてしまいます。

先程の調理師の方は、給食委託会社に所属しており、様々な現場に配属されるそうです。一つの職場に留まることがないので深い人間関係を築く必要がありません。

 

つまり、派遣業務はスキゾイド向きかなと思いました。一ヶ所に留まれないことでストレスを感じる人もいますが、スキゾイドにはむしろ利点です。

ITエンジニアの派遣なんかは物作り・下流工程・浅い人間関係の3つが揃っていて良いかもしれません。ただし、ITエンジニアの派遣はブラックな話も聞くので、よく調査する必要がありそうです。

 

【4】接客は意外といける

接客やコールセンターはスキゾイドにとってかなり辛い仕事だと思っていたのですが、楽だという意見が多くてびっくりしました。

確かに、考えてみれば接客は表面上の付き合いだけです。苦情などの感情的なやりとりもありますが、「相手の気持ちを慮れる人」の仮面を作ってしまえば、そこまで大変ではないようです。

結構賛同する意見も多かったので、試しに接客のアルバイトなどに挑戦してみるのも良いと思います。

 

ただし、スキゾイドにも接客が大丈夫な人とダメな人がいます。僕はできないタイプです。

昔、コンビニでアルバイトをしたことがあります。当時はスキゾイドという言葉は知らなかったので、内向的な性格を治そうとあえて接客を選びました。

接客自体はマニュアル通りに対応すれば良いですし、笑顔の仮面も作れるようになりました。しかし、仮面であっても徐々に精神が削られていき、バイトの前はお腹が痛むように・・・結局半年で辞めてしまいました。

接客に挑戦してみるのは良いですが、ダメな時は無理せず撤退してくださいね。

 

【5】講師もスキゾイド向き?

講師の方も2人いました。一人は理科の講師、もうひとりはフリースクールの講師です。

教員は大勢の子供たちを相手にするので大変じゃないかと思ったのですが、講師の立場で子供たちと一定の距離感を保てるので楽なようです。また、「先生」という仮面を作ってしまえるのもストレスが少ない理由の一つかもしれません。

逆に、クラスを持つ担任になってしまうと、子供たちと深い関係を築く必要があるので大変です。スキゾイドが教員を目指すなら、理科、音楽、美術など担任にならない教科が狙い目のようです。

 

あと、講師って個人プレイなんですよね。他の人と協力する必要がないのはスキゾイドに向きです。講義の仕方を毎回変えて、生徒の反応を分析するのも向いてそうです。

研究会にはいませんでしたが、塾講師も良さそうですね。

 

あと講師は変わっている人が多いので、人間関係を気にする必要がないらしいです。確かに、僕の記憶の中でも講師って変な人が多い気がします。

 

【6】職場の人間関係はかなり大事

職場の人間関係は、仕事内容に比べ見落としがちな要素ですが、かなり重要です。

先程「接客は楽」という意見が多かったと書きましたが、同時に「むしろ職場の人間関係が疲れる」という意見コメントも共通して見られました。

これは当然だと思います。なぜなら、接客業を選ぶ人は大体話好きだからです。

 

逆に工場やエンジニアはオタク気質の人が多いので、社内の人間関係にそこまで苦労しないでしょう。僕はIT会社で働いていますが、周りも大人しい人が多く、仕事以外のコミュニケーションがなくても何も言われません。

 

仕事を選ぶ際は、「この仕事はどんな人が選びたがるのか」も考慮するべきだと思います。もし「この仕事を選びたがる人」が一緒にいて疲れそうだったら、職場でも疲れる可能性は高いでしょう。

 

【7】事務職は避けるべき

接客は嫌、営業も嫌、だから事務職に就きたい。そんなこと考えていませんか? 実際、僕も同じ理由で事務職を目指していたことがあります。

でも、スキゾイドに事務職はオススメしません。なぜなら、深い人間関係を求められるからです。

 

研究会でも事務をやっていた方がいましたが、社内の人間関係が大変で辞めてしまったそうです。事務は営業のようにお客さんに会うことはありませんが、職場の同僚とは毎日顔を合わせます。ずっと同じ空間にいるのに仲良くならないのは不自然です。必然的にプライベートの話もする必要も出てきます。

また、営業のように仕事の成果が分かりやすく出ないので、どれだけ上手く人間関係を築けるかが評価ポイントになります。これはスキゾイドにとって辛い仕組みです。

 

「事務職だから人との関わりが少なくて楽」ではありません。スキゾイドが苦手なのは、多くの人に会うことではなく、深い人間関係を築くことなのです。なので、少ない人数でも、密接な付き合いを求められる事務職はスキゾイド向きではありません。

 

まとめ

いかがでしたか? 研究会で多くの人の話を聞き、気づいたことを取り上げてみました。最後にスキゾイドに向いている仕事と、向いていない仕事をまとめてみます。

 

スキゾイドに向いている仕事

・人と関わらない

・一人の空間がある

・一つの職場に留まらない

・オタク気質な職場

・物作りの下流工程

・接客(仮面を付けても消耗しない人)

・講師(ただし担任はNG)

 

スキゾイドに向いてない仕事

・感情的なやりとりが多い職場

・話好きが多そうな職場

・接客(仮面を付けると消耗する人)

・事務職

 

こうしてまとめてみると、仕事ではなく職場についての問題が多いですね。

スキゾイドが重視すべきは、仕事内容ではなく、職場環境なのかもしれません。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

もしよければ、あなたの仕事についても情報共有お願いします。

「第1回 スキゾイドに向いてる仕事とは?」

コメント

  1. 安藤大剛 より:

    【専門職】【自営業】をご提案します。

    私自身はスキゾイド質と自分では思っています。人との関係一切合切興味がなく、単にめんどうです。大の人間嫌いです。物心ついたときからそうで、幼稚園に行くことを拒否しました。(自分ではあまり覚えていないが、気がついたらぼっちでした)小学〜中学は強制的に行かされました。何ひとつ楽しかった思い出がありません。特に集団で何かをしなければならない行事が嫌で嫌でどうしようもなかった。みんな楽しそうにしているのが不思議で理解できませんでした。いつしか仮面による対人スキルを獲得したため、以後はそれで表面上は人付き合いが可能となりましたが、深い関係に至ることはなく、現在もそういう親友みたいな人はゼロです。それで何ら不便にも苦痛にも感じることはなく、本人はいたってご機嫌なお一人様ライフを満喫しています。医者など第三者に認められたわけではないですが、私自身はスキゾイドを確信しており、私という存在を客観的に説明するのに、これ以上当てはまっていて、論理的に破綻しないものを他に知り得ません。

    そんな私の仕事ですが、『時計修理』業を営む自営業者であり、専門職でもありあす。自分で店のページを立ち上げて商売はじめました。今年で5年目。都市郊外で一人暮らしするにはトントンくらいに収入が安定してきました。申し込みから受け渡しまで一貫してメールによる顧客とのやりとりシステムで、電話や対面で接客することはありません。我ながらスキゾイド的に満点の環境です。人と会うのは配達業者かコンビニの店員だけ。1日に一歩たりとも玄関から外にでなくて済む日もめずらしくないです。時計修理の仕事はスキルさえ身につけてしまえば完全に自己完結しており、業務上で他の誰とも付き合う必要はありません。需要もそこそこあり、景気にもあまり左右されず安定しています。なによりも、一人で黙々と作業に没頭できることが向いています。

    ぜひリストに追加されることをオススメします。同胞が幸せな生活を勝ち取れますように。

    (将来こちらの『人間社会の飛行法』様ページを当工房ブログにてご紹介したいのですが、よろしいでしょうか?リンク先がトップページになるようにいたします)

    • huuto より:

      職業のご紹介ありがとうございます。
      ひとりで黙々とできる専門職はいいですね。スキゾイド向けのニッチな職業をまとめてみるのも面白いかもしれません。

      こちらのブログはご自由に紹介してもらって大丈夫です。
      あまり更新できていませんが、今後とも宜しくお願いします。

  2. 島田 正雄 より:

     情報処理関係の仕事をしている ASP(自閉スペクトラム・パーソナリティ)です。診断は受けていません。スキゾイドと自閉はかなり見分けにくいというか、「そもそも区別する必要がない」と考えています。
     立場としてはおそらく SE ということになるだろうと思うのですが、名詞に肩書が書いてあるわけではないのであんまり関係なかったな。
     で、業務の内容としては、コーディングと他人が書いたプログラムの修正・改変・リファクタリング、詳細設計と機能仕様書の作成、要求仕様の検討と仕様書の作成、プロジェクトリーダーやチームリーダー、アルゴリズム開発、コンサルティング、開発計画とスケジューリングと、ほぼ網羅していました。
     その経験からいうと、仕事上の技術的な対話(テクニカル・ディスカッション)というのは、問題解決なり業務の擦り合わせなりでしかないので、技術者のようなスキゾ傾向のある方とコミュニケーションするのは「慣れていない」「自信を持って発言できるような、技術などの裏付けが不足している」という点を克服すれば ほとんど苦労はありません。
     ですから、集中を乱されない(割込みが入らない)作業環境が与えられるかどうか、が第一の要件になります。ですから仕事中の連絡はメッセンジャーかメールというわけで、これは同僚との間でも同じなので、「まずタイピングの腕を上げろ」という話になります。
     「上流工程は対人関係がしんどい」というのは、むしろパラノ型(スキゾと相性が悪いタイプ)が周囲にいるかどうかで決まりそうに思います。
     「一ヶ所に留まらない」というのは、「プロジェクト型の仕事かどうか」によると思います開発系の仕事は一ヶ月から一年で区切りがつくので楽、という部分があります。ただし納期がきっちり決まっているのでどうしてもハードになるのがデメリットで、私は「火消し」で入ることが多かったので本当に死にかけました。
     「接客は意外といける」というのはおそらく二通りあって、マニュアルがきっちり決まっているか、相手の自分の間で問題意識が共有できていて、着地点がだいたい見えている場合にはうまくゆきます。自閉はスピードを求められるような動作が苦手なので前者はダメですが、「嘘がつけない」「冗談がわからない」という印象があると思われているのでコンサルティングだと意外に頼れる、という特性がありそうに思います。

     なお、自閉方面で有名な高森 明(こうもり あきら)さんは自閉当事者ですが、予備校教師もやっています。

     あとは、スキゾイドは孤独に強いのでサテライトワーキングに強い、という特性は生かせそうに思います。ただし、一つの作業場所に二人、スキゾイド傾向がやや少ないやつとバディを組むのと、スケジュール管理のツールを整備するのが重要です。「一人で仕事しているときに、詰まっちゃった時に誰にも相談できないから地獄だ」「自分が全体の中のどのへんに位置するのが気になる」という人は(スキゾイドの中にも)多いので。
     在宅勤務の欠点は出歩くのが面倒になって食生活のバリエーションが減ることだな (-_-!)。

     なお、在宅で事務(データ入力)をやっている人(自閉です)もいます。仕事の切り分けがきちんとされていて、マニュアルが充実していて、ということならそう悪くはないのかも。事務というと「座り仕事」のイメージが強いと思いますが、現地アドミニストレーアーのようにあっちゃこっちゃ駆けずり回る仕事で基本的に立ち話、という形の「事務」もあるので(経験はあります。自衛隊の基地だったので、これがまた広いこと広いこと)、意外に自閉やスキゾイドには向いているかも。
     あとは文書作成の仕事は向こうも邪魔しないように遠慮してくれるのが楽でした。秘管理の都合があるので行きも帰りもハンドキャリー(まずドラフト版を作成して客先に持ってゆき、客先に朱(あか)を入れてもらって、また客先に行って修正点を双方で確認し、文書を持ちかえって修正する、みたいな繰り返しだったので、ある程度大きな会社で大きなプロジェクトのほうが、仕事は楽だと思います。まぁ、何億円とかの規模になっちゃうんでそれなりのプレッシャーはあるんですが、頭数も多いし みんな馬鹿でもないので話が早く仕事もできる人が集まっているので慣れると楽だし 仕事のやりかたも勉強できるので自信がつく、というメリットもあります。

    そういえば、コメントを読んでいて気がついたんですが、「歯科技工士」「長距離トラックの運転手」っていう人もいたなぁ。

  3. ゾイドスキ より:

    拝見させていただきました。
    概ね同意できたのですが、派遣業欄の【長期間同じ職場にいると、どうしても深いコミュニケーションを求められてしまいます。】の部分若干同意しかねました。
    私的には新しい空間に放り出され、距離感を測るため新たに各人の人物像を把握しなければならない点にとても労力を擁するためです。
    各人の距離感を十分に理解できている空間の中で業務をこなすことが出来る方がありがたいなと思いました。
    長々と駄文失礼致しました。

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